2011年10月17日月曜日

ロードレース本じゃないよ:ただマイヨ・ジョーヌのためでなく/L.アームストロング

久々の読書ネタですね。
と言いつつ、微妙に自転車から離れてませんが(笑)。

著者のランス・アームストロング氏は、ツール・ド・フランスで前人未到の7連覇を果たしたロードレースの名選手。そして、癌から奇跡の復活を遂げた人でもあります。
この作品は、彼の半生 - 癌との闘病生活、ロードレースへの復帰とツール・ド・フランスでの栄光をつかむまで - を自伝として描いたものです。

「自伝」だけに、やや目線は偏っている部分はあると思いますが、癌との闘病や、復帰について、赤裸々な心情を語っているあたり、すごく好感が持てます。
結果を知っている(癌を克服し、ロードレースの選手として、復帰する)のに、手に汗を握り、彼を応援したくなるような、そんな臨場感にあふれています。

特に、彼が復帰するにあたって、本当に周囲の人々の手助けと理解があって、初めて選手として復帰できたのがよくわかります。

復帰したレースで途中棄権し、自堕落な生活を送り……。
ある意味、契約を切られかねない、わがままな生活をしたのに、周囲の手助けで、自転車への思い、ロードレースへの復帰の思いを取り戻していくさまは、実に感動的でした。
ほんと、当時のチームは良く彼を首にしなかったな、と思いますね^^

しかし、彼の復帰を大いに支え、この著作の中でべた褒めした最初の妻とも、のちに離婚してるんですよね……。
この本を読む前に、彼の人生を少しWikiなどで調べていた分、少し気になった個所でした。

まぁ、そんな些末なところはおいておいて、日本人の死因一位は癌らしいのですが、癌にかかっても絶望しないためにも、ロードレースへの興味の有無にかかわらず、一読していい本だと思います。


それにしても、去年から今年にかけて出てきた、彼のドーピング疑惑はどうなるんでしょう?
彼は著作の中で、ドーピングをはっきり否定してますが、真相はどうなのか、動きが気になります。
疑惑に白黒ついたところで、もう一度読んでみたい本です。
個人的には白であって欲しいと願うのですが……。

4 件のコメント:

  1. 自転車の本というより闘病生活と心の葛藤がメインでしたよね。
    後で知りましたが、あんなに仲が良かった奥さんと離婚してるんですよね。驚きです。
    いろんな意味で考えさせられる本でした(^^)

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  2. いかん……。この本は100ページ目で止まっているぜ(滝汗)。

    とても面白い本ですよね~。
    なら読みなさいという感じですが、
    推理小説みたいに強烈なオチとドキワクがないと読み進められない私。

    ドーピングは限りなく……、いや、彼を信じよう。
    僕もこの本を読んでてずっとそれが引っかかってました。
    速くなるためなら何でもするというのがプロですが、ドーピングだけは許せないですね。
    もちろん、彼はやっていないと信じたい気持ちはあります。

    どっちなんだろう。ハッキリしてくれ~(w
    もしやってたら許せねえっす。

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  3. >たてわき07さん

    なまじ、第三者が書いたのではないだけに、
    本当に心の葛藤がよくわかる本でしたね。

    Wikiなどでは、離婚の原因までわかりませんが、
    この本を読むだけでは、ほんと「あれ???」ですよ。
    『毎秒が生きるチャンス』の方には、離婚の予見のようなものが書かれているらしいので、そちらも今度読んでみます。

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  4. >もりぞーさん

    オチ(復活とツール制覇)はわかってますが、
    経過が面白いですよ。
    心が折れた時に、ページを繰ってみてください。
    彼ほどの選手でも、心が折れるときがあるんだ、
    と励みになると思いますよ。

    ドーピング……。
    ほんと白であって欲しいですね。

    最悪なのは、彼が黒で、雪崩を起こすように、
    同時代の選手たちにも、疑惑が噴出しちゃうことだと思うので、永遠にグレーで留めるのも、一個の手だと思うのですが、それは許されないんでしょうね。

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