幸福な自転車乗り考：まちがいだらけの自転車えらび/エンゾ・早川

最近、僕のブログからリンクを貼らせて頂いている、たてわき07さん、もりぞーさんが相次いで、「ロードバイク欲しい病」を発症されました。
ちなみに、ロードバイク欲しい病とは、以下のような病気です（大嘘ですよ、念のため）。

『ロードバイク欲しい病とは、クロスバイクを購入した人の8割が感染し、うち半分以上が発症してしまう病気のこと。
高い感染力（クロスバイクを購入した人の大半が感染する）、発症率、発症した際の病状の重さ（治療には高額なロードバイクを購入する必要がある）から、危険な病気だが、発症した患者は、それ以外の病気（糖尿病などの成人病）の発症リスクが軽減するなど、プラスの面もあることから、BSLのリスクグループはGroup2に分類される。』

ちなみに、僕も立派なキャリアですが、幸いにも、愛妻（笑）の監視のおかげで、発症のリスクはほぼ0です。
にも関わらず、なんでタイトルの本を挙げるのかと言うと、ぶっちゃけ言うと、発症したお二人に、この本を参考にして欲しくないから！
賛否両論あるこの本ですが、僕は否定的感想が強いです。詳細は以下にて。



この本ですが、正直読了しておりません。あまりの毒の強さに、途中で本を置きました。
が、ものすごく要約すると、こんな感じの文章が繰り返されます。

・自身の自慢。
・お店の紹介（宣伝）。
・特定メーカーへの賛辞ないしは攻撃。
・完成車買うなんて馬鹿。ホイールは手組みに限るよ。
・はした金でロードバイクを買おうとするな。
・ちゃんとしたプロのお店で買いなさい。

このうち、氏の意見に賛同できるのは、最後の２つだけ。
ただ、これってネットで調べても、ある程度、常識的な意見だと思うんですよね＾＾；
わざわざ本読んでこれじゃ、あまり読む価値がない。
どうせなら、はした金（ロードバイクの世界では10万でもはした金。恐ろしや）で、買えるものは、どういうもので、こういった理由でお勧めできない、とまで書いてくれたら、まだ読む価値は出たんじゃないかしら。

それ以外の上４つの毒の強さ、特に３つ目は酷い。冗談抜きに、シ○ノあたりは訴えていいんじゃないか、と思うぐらい、ぶった切ってますが、個人的には論拠が薄いように思いました。
どちらかと言うと、筆者の思い込みや、信念を文章にしちゃった、みたいな感じを受けます。
あと、書きっぷりがコッソリと卑怯ですね。TR○KやG○ANTを批判する際、自転車ではなく、乗り手を批判する。 そりゃツール・ド・フランスをはじめ、グラン・ツールで活躍した自転車貶せないもんね。ユーザーを貶すぐらいしかできんわな。

と言うわけで、若干気分を害してしまうほど、毒が強いこの本を手にして、一つだけよかったと思うこと。
それは、同著のサブタイトルになっていた「幸福な自転車乗り」について、少し考えられたことです。
氏に言わせれば、「氏（ないしはプロ）がコンポを選んで組んだ、氏が推奨するメーカー（同著執筆の時点はG○OS）のフレームに、手組みホイールを履かせたロードバイクに乗ること」が幸福な自転車乗りなんでしょう。

そんなもん個人の勝手で、氏が本書いてまで定義することじゃないやろ、と。自分が好きな自転車に乗って、好きなように乗る。これが幸せなことだと思います。
氏が否定する「完成車」だって、完成車を購入して、自分好みにカスタマイズするのも、楽しい「幸福な時間」だと、僕は思うんですけどね。

「せっかく大枚はたいて買うんだから、愛情を持って乗り続けること」が、たった一つの「幸福な自転車乗り」の条件だと思うんですよね。

改めて、そのことに気づかせてくれた、と言う点だけはこの本を評価したいと思います。